実地検査のポイント

【実地検査のポイント】(技能実習制度)

「きっと来る~♬ きっと来る♬」

ホラー映画「リング」の主題歌、「貞子」の登場シーンのように、技能実習機構も1年に1度、どの街の監理団体にもやってきます。

和やかな雰囲気で淡々と始まっても、指定された書類が見つからない、整理整頓されていないような事務所では、分かりやすく空気が変わるのを感じます。

どの監理団体でも、「ここは触れないでくれ~」という点はあるのでしょうが、指摘された時、どこぞの大臣のように「記憶にございません」では、その場はしのげても、徹底追及の手が緩むことは無いことを覚悟して、アカデミー賞俳優のような演技をして下さい。

相手が求める質問に簡潔な回答を出せないということは、後から追加書類のオンパレード。前後の辻褄を間違えないような嘘に嘘を塗り重ねるような言い訳構築となりますので、益々不利となります。

最終的には大臣の辞任で幕を引くように、今まで通りにはいかなくなる可能性がありますので、一番良い方法は、子供でも分かる、「悪いことをしたら誤る」という基本原則に立ち返ることです。

ドキドキした実地検査を迎えたくない人は、受話器に手を伸ばすことに躊躇するかもしれませんが、火種が小さいうちに、技能実習機構へ報告しておくことです。「既に報告済みです」と言えれば、実地検査へ来た担当者も強く出ることはできません。意外と正直者が馬鹿を見ない、制度が確立された部分もありますので、技能実習機構と日頃から良い関係を結んでいれば怖いものはありません。

実地検査の最終的なポイントは、「悪質か否か」これだけです。ミスは誰にでもあります。技能実習機構側も「人」ですから、そのぐらい百も承知で検査しております。ただ、人権侵害、賃金不払いのような大きな違反であれば言い逃れできませんが、「虚偽」「隠蔽」があると、小さな問題であっても、対応が「悪質」と認定され、重い処分になるよう自白を促される追及が始まりますので、初期対応(技能実習機構に対するホウレンソウ)が重要なのです。

それでも実地検査にやって来るサンタクロース(技能実習機構)は、何かしらのプレゼントを残していきます。「何も問題ありませんでした」と上司に報告できない組織の性(さが)だと思い、許してあげて下さい。

大したことの無い是正勧告であれば全て良し。実地検査の担当者が「貞子」のように感じてしまうと、主題歌の名前「feels like “HEAVEN”」となり、精神衛生の良くない日々を過ごすことになりますので、子供達に胸を張った職業であると言えるような、適正化への道へと励みましょう。

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