技能実習生の賃金設定

【技能実習生の賃金設定】(技能実習制度)

今年も地域別最低賃金が過去最高の引き上げで更新されました。毎年のように技能実習生の待遇を更新されている方が多いと思いますが、ここは以前から述べているように、「日本人同等以上」と運用要領に記載しておきながら、日本人アルバイトの時給を下回る設定でも技能実習機構が計画認定を許可する問題でもあり、技能実習機構側からすれば、最低賃金でも法令遵守、違法では無いので「合法」→「許可」という流れは一向に変わりません。

一部の方から望まれる「同一労働・同一賃金」の問題

私個人の意見としては、技能実習生に限り、本音?建前?の部分にある「研修」という側面から、外国人研修制度の時代にあった「研修費用」のように、技能実習生は全国一律「同一賃金」が望ましいと考えております。

これを実現すると、結果的には地域別最低賃金も下回ることができないため、大都市も地方も「東京」の賃金に合わせることになります。

この話だけを聞けば地方の方々からは「厳しい」との声が上がるでしょう。しかし東京でも地方以下の売り上げの中でも最低賃金は遵守しておりますし、地方でも人材確保のために東京並みに合わせ、人材流出対策を実施している企業もあります。

しかし賃金を揃えることは地方に不利な話ばかりではありません。地方は物価が安い。これは現在言い切れません。物流網が発展した都会の方が安い食材・物品を購入できる機会も増加しております。

地方に優位性があるもの、それは「家賃」です。これは確実に地方が有利です。よって賃金の足並みが揃えば、手取り総額では地方の方が高い、結果的に優秀な人材が地方に集まり、技能実習生の間は失踪を考える者は減少する可能性があります。

在籍中の3年、5年間に相思相愛の関係となり、特定技能移行後にも「投資」ができれば、転職リスクも軽減する。送り出し機関も安心してどの地域でも派遣が可能となります。

これが実現すれば地方は現在よりもコストが上がりますが、再採用の経費、再教育費用、トラブル発生のストレスなどは軽減されるかもしれません。

そもそも地方は、外国人材=安い労働力と説明して堂々と「営業」活動と公言する方も多いですので、コストダウンを図る際に、人件費(時給)の削減から入る傾向がありますが、企業の無駄・ムラなどは人件費以外にも多くの場所に転がっていることを経営者に自覚させるところから話をスタートさせなければならないのです。

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