特定技能 想定内?想定外?

【特定技能 想定内?想定外?】(技能実習・特定技能)

コロナが無ければ、特定技能は特定技能評価試験に合格し、日本語能力試験4級相当以上の人材が来日して雇用される、問題が多いと指摘される技能実習よりは優れた人材が日本で活躍する姿を想像し、いずれは技能実習を否定する労働力確保の手段になると期待していた関係者もいるのではないかと思います。

しかしコロナ問題が始まり、多くの留学生・技能実習生が帰国困難となり、予定されていた特定技能評価試験の国内外の試験開催は鈍化し、海外合格組は来日も不可能となりました。

その結果、日本では特定活動という一時的な在留資格も許可され、帰国困難と許可されなかった国の人材は、受入企業も新規入国の目途が立たないことから、やむを得ず特定技能で更新、また人材の「駒」不足に陥った職業紹介事業者が悪質化し、本来であれば推薦できないような外国人材でも特定技能人材として受入企業へ紹介し、受入企業側も猫の手も借りたい状況に渋々と雇用、更に悪質なブローカーは、引き抜き行為、外国人材を転売することにより紹介料を徴収するビジネスに発展、そこには外国人材の幸せや笑顔を願う心も無く、人材の頭数=お金、「定着」も「教育」も無い、特定技能で予想されていた最も悪い方向への活用を加速してしまいました。

今や相思相愛で制度活用している人材以外は、職業紹介事業の生活の糧としてフラフラと転職活動を繰り返す「売り手市場」となっております。

恐らくコロナ問題が収束し、受入企業側も人材を選択できる余地が再開すれば、このような人材は合法的に解雇されていくでしょう。その時、日本政府が苦肉の策として在留を認めた人材はどのような末路になるのか?

帰国旅費を清算された元技能実習生は、在留資格の更新時、既に生活費として帰国旅費は使い果たしているでしょう。元留学生は帰国旅費も確保されておらず露頭を彷徨うでしょう。犯罪・不法滞在の温床となります。

特定技能の管理の所在は受入企業、登録支援機関は正論で逃げ切る方法は幾らでも揃います。技能実習とは違い、転職が許可されていれば解雇も表裏一体の関係にある事、送出し機関の関与が無い(少ない)、帰国旅費が確保されていない、出入国在留管理庁も変わらぬ所得の中で、定着しない人材の申請書類の審査と問題解決の増加、話の通じぬ外国人材どころか、入管法・労働関係法令の知識不足の受入企業に対する指導、犯罪・不法滞在の増加、出入国在留管理庁までもが一定の大義名分のある、本音と建前があっても「技能実習制度」の方が良いと既に思い始めているのではないかと思います。

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