転職は幸せ?

【転職は幸せ?】(技能実習・特定技能)

とある番組で「技能実習制度の問題は転職ができないこと」このような発言がありました。制度批判者の中にはこの問題が一番大きいと主張される方もいますが、これは本当なのでしょうか?

日本人でも20代での転職率は約30%と言われます。

技能実習生の失踪率は約3%、仮に転職の自由を認めた場合、同等程度の状況になると思います。「転職」は良いか悪いか。これは転職を決意する「理由」にあると思います。

パワハラ、セクハラ、労働関係法令違反、このような受入企業側に問題がある場合は、迷わず転職をした方が良いと思います。しかし日本人の20代でも転職理由として…

・給料アップ、キャリアアップがしたい

・休日や福利厚生などの働く環境を良くしたい

・先行きに不安を感じる

・ほかにやりたい仕事ができたから

このような理由が多いそうでが、こういった「理由」、自己都合や求職活動に対する真剣さ、研究不足という点もあると思います。

やりがいを感じている、満足しているかは分かりません。多少我慢をしても70%近い人は3年以上、勤務しているわけです。

「石の上にも三年」、一度は自分自身が選んだ道に対し、3年ぐらいは身を置いて何かを身に付けようとする。それでも自身には合わない場合は、新たな道へ進むことも良いと思います。

ただ自己中心的な考えの上、転職した場合に本当に幸せになれるのでしょうか?「転職後、以前より収入も高く、楽になった」そう言える人は少ないと思います。仮に優秀な人材がヘッドハンティングされ収入が上がっても、新人扱いはされず、結果が全てで評価されるプレッシャーの日々、自分らしさを求めて仕事量を減らせば収入は激減、穏やかで安定した収入、新人扱いされ、教育をしてもらえる立場は「1社目」程度しかない状況はよくあります。

圧倒的な能力もなく、出稼ぎ目的程度の人材の場合、転職することで本当に幸せを保証できると思いますか?それよりも、3年間は継続雇用する覚悟のある受入企業で、技能実習機構や監理団体という第三者の監理下に置かれて人権侵害も労働関係法令違反も通報すれば対処してもらえる環境で、確実に就労できる保証の方が幸せではないでしょうか?

マスコミが一部の不正行為をする受入企業の状況を煽り、過剰に反応し、制度批判を行う。そのような悪質極まりない受入企業からは転籍させることは制度上も許可されています(決して転職が認められていないわけではありません)

監理団体関係者の多くは「転職組」だと思います。大学を卒業して入社してくる人はほぼいません。自身の就職、転職経験も踏まえ、外国人材には、せめて同じ会社で3年間は勤めてもらおうと多くの人がサポートしておりますので、どういった場合の「転職」が幸せで、不幸せか、よくよく検討してから制度批判をして欲しいと同時に、部分的に切り取って報道をするマスコミには悪意を感じます。

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