【監理団体の愛情】

【監理団体の愛情】(技能実習制度)

入国再開の「噂」情報が飛び交い、どの入国後講習施設も満床になることが予想され、研修センター側にも新規でのお問い合わせが増加しております。その際、気になるのが「配属」に関するサービスの依頼。監理団体側には他の研修センターも実施している所が多いと交渉してくる方が増加しております。

特徴として、入国送迎も委託、配属送迎も委託するような監理団体は、講習期間中に顔を出すようなこともありません。講習手当も現金書留か振込です。または配属時には送り出し機関駐在員に丸投げ。研修センター側も監理団体関係者にお会いすることはありません。

ビジネス的に言えば、支払いには応じ、文句も言わず顔も合わせないのですから、ある意味「良客」なのかもしれません。しかし相当な確率で、このような監理団体の技能実習生は問題児、またはモンスター人材予備軍であることが多いのです。

生まれて初めて目にした物を「親」だと思う習性があると言いますが、入国時は絶好のチャンスです。優良な監理団体は、大型車の所有が無いため、研修センター側へ委託をしますが、職員も必ず空港へ同行します。

技能実習生がゲートから出てくる間、研修センター側と近況報告や、多くの情報を持つ研修センター側からの情報収集に余念がなく、送迎の乗車後も、1分1秒でも惜しむかのように技能実習生とのお話が続きます。

研修センター到着後も講習手当を直接渡し、1ヶ月間の心得の指導(講習費用は会社側負担であること)パスポート・在留カードのコピーも即日お持ち帰りになります。

配属時も当然お迎えに来ます。1ヶ月間の成果を確認、研修センター側にも直接評価を聞き出す。配属後にドタバタとするため必要事項は研修センター側で事前に指導してから出発されます。

これらの行為が当たり前に行われている監理団体では完全委託(丸投げ)という発想は全くなく、そういった世界があることも想像できていませんし、何か特別なことを行っているという意識もありません。

これは「愛情の問題」です。こういった監理団体では全く問題が起きないとは言い切れませんが、圧倒的に問題対応件数は少ないと思います。丸投げ委託する監理団体より、入国送迎を行い、1ヶ月間、同じ釜の飯を食う研修センター側と技能実習生は、3年間過ごす監理団体・受入企業よりも強固な信頼関係を築くことも多くあります。一層のこと、技能実習機構は法令上、入国・配属送迎の委託禁止をルール化すれば、更に技能実習生の問題が減少するのにと…これは研修センター側関係者の多くは同意できる問題だと思います。知識や経験も無い方々が集まり、「有識者」と呼ばれて議論をしても、制度は一向に良くはなりません。

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