
【計画通りの帰国】
【計画通りの帰国】(特定技能)
ベトナムの定期便の運航再開、帰国後の隔離期間の短縮もあり、一時は約40万円以上となった航空券+隔離費用も、ようやく約10万円~15万円の範囲に収まってきました。
とは言え、日本側の監理団体と実習実施者では、帰国旅費の担保と言っても約6万円前後の関係者が多く、かなり安くなった帰国費用も、まだまだ出し渋る方もいるのではないかと思います。
想定されたほどの帰国希望者ではないと思いますが、少なからず年明けして、突然の「退職=帰国」の申し出をする人材も出てきているようです。
魂胆としては、まずはテト(旧正月=2月1日)前には帰国=帰宅を実現したい。6ヶ月間の勤務は実現して、有給を付与されたい、そして12月の賞与は受け取りたいなどの計画性を持って申し出ている方もいるようです。
退職希望日の2週間前に申し出れば波風絶たない。特定技能人材ともなれば、このあたりの常識、日本人を怒らせない、怒れないポイントも熟知しております。
受入企業も法令違反していない申し出とあれば、表面的には笑顔で了承。その怒りの矛先が、不適切な距離感の登録支援機関や送り出し機関へ向いているケースもあるようです。
「約束が違う」在留資格認定の1年にも満たない退職の申し出に思わず口に出る言葉。特定技能人材側から言わせれば「ごめんなさい」でも口約束であって、証拠はありません。
「また戻ってきます」的な期待をさせるような発言も一切なく、本人達も「通算5年」の期間権利を活かすのであれば、次は他社他職種で…登録支援機関も送り出し機関も、ひとまず法令通りの特定技能人材の主張に乗っかるしかありません。
受入企業との信頼・取引関係が潰れないよう、せめて費用面で損失までは発生しないことへの必死のアピール。「帰国旅費は技能実習生と違い、本人負担です」
この一言で多少なりとも受入企業の感情は抑え込むことはできました。しかし待てよ…このベトナム人材、技能実習生修了時に、帰国旅費の精算は済んでいるのであろうか?
2021年12月28日、技能実習機構からも「重要なお知らせ」が公表されております。
『技能実習生が帰国することとなった場合の帰国旅費については、 通常に比べ、帰国旅費が高騰しているなどいかなる理由であったとしても、技 能実習生に帰国旅費の一部を負担させることは認められず、監理団体が帰国旅 費の全額を負担する必要があります。』
「自分達が帰国の申し出をしたのだから自己負担だからなー」
このような厳しい言葉にも、覚悟の上で申し出たベトナム人材は自己負担も辞さないでしょう。
しかし、こういった正しい情報を周知されれば、帰国後も追いかけられ精算請求されるか、技能実習機構に駆け込まれてお咎めを受ける結果になるかもしれません。
登録支援機関が監理団体でもあり、継続して特定技能として引き継いだのであれば、この問題に受入企業と対峙しなければいけない、他の監理団体から引き抜いたのであれば、面識が薄くても、この問題を言いに行かなくてはならない。
新規入国も無く、増収も無い中で、時間と交通費をかけて後ろ向きな問題解決を行うことだけが今の「仕事」。財源が無ければ頭を下げることぐらいしかできない現状に、心が折れない程度に向かい合っていくしかありません。