【外国人材vs相性の悪い日本人従業員】（技能実習・特定技能）

残業時間の問題でも無い、外国人材同士の問題でも無い、仲裁してもなかなか解決が難しい問題の1つに、「日本人従業員への不平不満」問題があります。

取り敢えず最初は、受入企業に迷惑を掛けぬよう、外国人材から事情聴取をして、母国語が話せる通訳者を介して、トラブル原因がコミュニケーション問題、誤解であると理解させることができれば良いのですが、本当に日本人従業員側の性格、素行に問題があり、問題解決には受入企業を巻き込み、大騒動となることもあります。

監理団体、登録支援機関であっても、受入企業の従業員問題は一体誰と話せば効果的か、日本人側に一旦は引いてもらえると良いのですが、受入企業代表者を通した間接的な指導に感情を逆なでてしまう場合や、単刀直入には言いにくい問題で、遠回りな表現方法では解決できない場合もあります。

解決に時間を要すと、外国人材は益々感情的となり、外国人差別や被害者意識が強くなり、いつの間にか関係のない人材までもが味方をして事態が大きくなることもあります。

「たかが3年そこらしか在籍しない外国人の出稼ぎ労働者に言われたくない」、「なぜ外国人材に頭を下げなければいけないのか？お前らがここの会社の社風に従え…」この展開に陥ると解決が難しくなります。このような会社だから日本人も定着しない、例えそう思っても。

外国人材の場合、若年層が多く、母国での社会経験も長くはありません。まして出稼ぎ労働者の場合、送り出し国でも、地方のまた地方出身者。日本人とは違う生い立ち、学歴、価値観の相違があって当然です。

このような衝突は避けて通れない道ですので、送り出し機関では必死に「3年間の我慢」を叩き込みます。これが化けの皮という部分です。十分な語学力でも無いため、感情的に不満の爆発を抑えるため、聞き役に徹する通訳者や送り出し機関職員も、ストレスが半端の無い状態となります。

この問題の解決方法、極論を言えば、どうしても耐えられないのであれば、自主退職→帰国を申し出なさいと指導を受けていると思いますが、この我慢の限界が、驚くほど早く訪れる外国人材もいます。

ただ今までは転職が不可能であった技能実習制度であったからこそ少し耐えられてきただけ。「転職」という武器を手に入れた特定技能人材は迷わず「お暇をいただく」（転職or帰国）でしょう。

そこで転職ブローカーの餌食となる人材、性格・能力の問題を指摘され路頭をさまよう人材、こういった人材をどのように対処していくのか、日本人であれば「引きこもり」と呼ばれても、外国人材であれば「不法滞在」となり、居住場所も不明となるでしょう。

「技能実習制度の見直し」のため専門家・有識者が集められて勉強会も開催されるようですが、日本人同等の制度に近づけるほど、外国人材は不幸になる部分も知った上で、無事に母国の実家まで帰国できるような制度改革に期待をしたいと思います。