
【リーダーは日本人】
【リーダーは日本人】(技能実習制度)
技能実習生の受入体制において失敗する事例の1つに技能実習生間で「リーダー」を任命したことが原因になる場合があります。特に失敗するリーダーの任命方法として
・日本語が少し上手だという理由
・リーダー手当を与えるわけでもない
日本人は同期に入国してきた技能実習生を、日本側都合で「〇期生」など呼ぶ場合もあります。一緒に来日して、同じ職場で3年働く仲間、お互いに協力して、3年後には一緒に帰りましょう。果たして、ここまで都合よく、日本側の思いを技能実習生が共有しているのでしょうか?
母国で職種と募集金額だけを頼りに参加した海外面接、隣にいた候補者とも全く面識はなく、たまたま日本企業に採用された仲間同志。出国を希望する理由も、生活背景も全く別々。気が合う、合わないは別にして、送り出し機関からは揉め事だけは起こすなという強烈な誓約。生活リズム、趣味嗜好も違う仲間?と日本では勝手に同僚、同室にさせられ、3年間の同棲生活までもがスタートします。
せめて宿舎の寝室が別であれば良いのですが、プライバシーも無い空間で、気になる臭い、音、職場で日本人と接している方がリラックスできる技能実習生も多いのです。そこで更に身勝手に決められた「リーダー」という肩書。
待遇も同じ中、せめて外国人材が日本人よりも重んじる「年功序列」で任命をすればまだしも、多少の日本語のレベルで判断をされれば、日本人が知らない、本人達だけの序列関係も無視され、受入企業側の指示・命令の伝達係、それ以上に他の技能実習生のパフォーマンス改善指導まで命じられれば、心も重く、母国語すら口から出なくなることもあります。
「こんなこと言えるはずがない…」
そこまで思いやり、「特別手当」でも支給すれば、お金の力で割り切るかもしれませんが、特に何もなし…なぜ私だけが…これって誰得?…日本人が知らないところから技能実習生の関係性が崩壊していることもあります。
では仕事も日本語の上達も含めて、誰がリーダーになるべきか?それは「日本人」、制度上の建前で言えば「指導員」なのです。日本人に指示・命令・改善要求されれば公平・公正です。1年目は理解度が低くても、毎日のように日本語でアレコレ言われ続ければ、否が応でも反応できるようになります。技能実習生から「日本人の〇〇さんのモノマネ」や、教科書では教わらない日本語を聞かされる機会があれば、それはリーダー関係が上手に機能している現象面と判断できる場合もあります。