【水際対策に関する違和感】

【水際対策に関する違和感】(技能実習制度)

既に各マスコミから漏れ出た情報と相違の無い記者会見が昨夜、岸田内閣総理大臣より行われました。制度関係者は口を揃えて、「私費留学から?技能実習生はいつから?一般・特定監理団体の優先は?」など、聞きたかった情報の1%にも満たなかったと思います。

恐らく細かい手順に関しては、各省庁、技能実習機構に聞いて下さいという姿勢なのだと思います。

一点、気になるのは、岸田内閣総理大臣が公言した、「感染状況が落ち着いている非指定国からの入国者」の「非指定国」問題。

主な技能実習生送り出し国の中では、「ベトナム」が該当するのですが、実際にはベトナムでは弱毒性の「オミクロン株」が蔓延しているという情報はなく、死者数も比較的多い状況から推測すると、呼吸器系に障害を与える「デルタ株」が依然として蔓延している状況が想像されます。

また感染者数の状況を見ても、モンゴルに続く2番目の多さ。しかしベトナム以下の国を「指定国」にしていても、ベトナムだけは「非指定国」の状況。これはベトナムからの留学生・技能実習生の入国者数の多さに日本政府が「忖度」をしているようにも思います。

では制度関係者はベトナムが「非指定国」であることを歓迎できる状況なのか?ワクチン接種を3回接種した技能実習生は、入国当日より集合講習が可能だと思うでしょうが、もし入国時の検査で「陰性」であった技能実習生が、講習施設内で発熱、倦怠感を申し出て、診療した結果が「陽性」であった場合、講習施設そのもの、該当技能実習生の配属(講習期間の延長、雇用契約開始日の変更)などリスクが高いものになります。

ベトナムが現時点で、昨年のような感染者を抑え込むことに成功しているのであれば心配材料は軽減されます。こういった感染状況は、国境を越えて日本語が上手ではない技能実習生間でも情報共有されます。

入国後講習施設で恐らく数多く在籍すると思われるベトナム人技能実習生が、他国の技能実習生より敬遠される姿も見たくありません。水際対策の緩和、待機期間の短縮と、歓迎すべき出口戦略ではありますが、日本国内では引き続き「まん延防止重点処置」も行われる厳しい制限と、感染者に対する扱いが、「風邪」レベルでは済まない状況にあります。

ベトナム以外は3日間隔離からスタート。では「ベトナム」をどのように扱うか?指定国であっても非指定国であっても、同じ「技能実習生」として3日間隔離をしてあげることが双方の「安心」だと思いますが、皆様はどのように判断し、実践していきますでしょうか?

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