【日本人が知らないところで】

【日本人が知らないところで】(技能実習・特定技能)

詐欺、賭博、薬物、闇風俗営業…日本で最も多く在留するベトナム人材において犯罪行為も増加しております。時には傷害、殺人事件に至る残忍なケースもあります。

特徴的なことは日本人に危害を加えることなく、異国の地で(日本)、ベトナム人同士による犯行が行われることです。日本語の学習当初より「よいひと」「わるいひと」という言葉は早めに理解、活用をするのですが、まさか日本において近づいてくる同国の人材には「わるいひと」はいないと勘違いをする先入観が事件・事故を引き起こしていると思われます。

ベトナム人材に関わる関係者であれば、ベトナム版LINEとも呼ばれる「Zalo(ザロ)」の存在はご存知だと思います。日本人が使用するLINE、Messengerだけではなく、各国情報共有のSNS、コミュニケーションツールは、日本人が聞きなれない物を使用していることもあります。

以前、ご連絡を頂いたトラブルで、入金すると利金が入るというSNSソフトの使用。最初は低額入金すると利金が振り込まれた為、警戒心が解け、信用ができると判断。友人、家族からも借金をしてまでも入金。しかし暫くすると利金が引き出せなくなる。ソフト管理会社に連絡をすると、更に入金をすると引き出せる仕組み…典型的な詐欺の手法です。

こういった詐欺被害の取引は、日本人が聞きなれない「Zalo」というアプリを使用しており、本人も詐欺被害に面子も無く、日本人関係者に早々に相談をしてくるケースは少ないと思います。友人や家族への借金返済のために、また別の人に借金を申し出る。職場では「残業」の要求程度しか手段も無く、次第に焦りが増加。結果、賭博に手を出し、窃盗品の売買等、犯罪に手を染めるようになります。

こういった事件や犯罪についての指導、実際に痛い目に遭った制度関係者は入国前・入国後に厳しく指導をします。しかし実際には減少しません。当事者が「騙されている」「巻き込まれている」という実感はなく、「自分だけは大丈夫」という自意識過剰となり、周囲からの助言や注意に耳を傾けることはありません。

こういった事件や犯罪を防止するために、支給された給与を即家族に送金するような指導を行う関係者の話を耳にしたこともありますが、万全な解決方法でもなく、そういった人材は再発を繰り返します。

こういった事件や犯罪は起こるときは起こるのですが、できる限りの防止策としては、2年目、3年目に突入した人材も、義務は無くても、随時相談体制を構築するだけではなく、できる限り現地訪問をして「対面」で身嗜みの変化や、宿舎確認による生活変化に気が付き、初期段階で厳重注意を行うしかありません。

人が人を騙す、騙されるという行為も感染力の強い病気ですので、予防に努めるしかないのです。

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