【受入企業を“お客さん”と呼ばなくてはいけない違和感】

【受入企業を“お客さん”と呼ばなくてはいけない違和感】(技能実習制度)

「お客さんに聞いてみます」

時々、監理団体様の違和感のある言葉です。

確かに監理費という名の「お金」を頂いているので「お客さん」。そう思う気持ちも理解できます。しかし我々は「監理団体」。上に立つ意識である必要はありませんが、関係法令を遵守していただくために、適切な距離感の中で、受入企業や技能実習生と接していかなければならない。業務を遂行するための費用としてい頂いている「お金」(監理費)であり、サービス提供や商品売買、人材派遣を行っているのではありません。

良い成果があれば、それは受入企業と技能実習生のおかげ。指導事項があれば、法令に基づき、言いにくい状況も、心を鬼にして改善、出費、対応を要求しなければなりません。

しかし受入企業を「お客さん」と呼ばなくてはならない立ち位置の監理団体は、完全に「下」の存在。何かにつけて脅かされ、言いなりとなり、振り回される。これでは受入企業や技能実習生を監理、守るどころか、監理団体自身の存在まで危うい方向へと追い詰められます。

結果的に追い詰められた監理団体は送り出し機関、入国後講習施設に丸被りさせるような無茶な要求を行うようになります。特に送り出し機関側では、費用的な問題の場合、問題解決のために、技能実習生本人に対し、「あなたが派遣される企業からの要求だから」と、そのまま請求する場合もあります。結果、出国手数料が増加すれば、評判通りの「失踪」へと繋がる可能性が高まります。

以前より指摘をしておりますが、国が外国人材の「監理」を民間に依存する場合、お金を徴収する「受入企業→監理団体」の流れも改善しなければなりません。

来年には技能実習制度の見直しも本格化するでしょうが、政府も「監理」の立ち位置にこだわるのか?それとも全面的な「労働」、人材派遣と位置付けて、徹底的な「お客さん」へのサービス提供を求めるのか、今後の流れが楽しみです。

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