
【100円ショップはいくらですか!?】
【100円ショップはいくらですか】(技能実習生)
お笑い芸人のネタではありません。
入国後講習における技能実習生の指導時に、本当にあったお話です。
入国後講習は基本的には「座学」で行われるのですが、生活指導の場合、百聞は一見に如かず、実地訓練の方が良い学習機会になることもあります。
特に「買い物」は配属初日から必要な生活指導。講習手当を無駄に使用させることなく、母国との物価差を肌で感じ、貨幣価値を理解する。店内には漢字を含めた日本語表記しかなく、教科書に登場する「日本語(単語)」だけでは、まだまだ通用しないことも実感させなければいけません。
「はじめてのおつかい」
子供が初めて買い物をするのに多くの大人達が見守るように、技能実習生の初めての買い物も、近からず遠からずの距離で、温かく見守ることも指導内容の1つです。
残念ながら世間には外国人に対する偏見を持つ方も多いですので、決して失礼のないよう、事前指導も必要です。
・店内では多くの技能実習生が集まらないように歩くこと
・店内では大きな声で母国語を話さないこと
・商品にベタベタと触り、結局買わないようなことがないように
・「税込」価格を見るように
・「賞味期限」・「消費期限」を見るように
・インドネシア人材は「豚」「ラード」には注意するように
・会計時には並ぶように
・買わない人は並ばないように
・会計時のポイントカードの質問には「ありません」と答える
(入国後最初の買い物でカード作成はさせておりません)
・「袋は要りますか」の質問に「はい」と答えた場合は「有料」であること
・「無料ポリ袋」の常識的な貰い方
事前指導を行っても、初めての外国人材が全て完璧に対応するであろうということは期待せず、万が一のトラブルに備え見守ります。買い物終了後は、レジ対応のスタッフの方々にお礼の言葉も忘れずに。
ある日、「100円均一」の店舗へ行った際、高価値の商品の中には、「200円」「300円」と表記されている商品もあることを事前指導。
ここまでは指導したのですが、会計終了後、店内から出てきた技能実習生が、「ここ の しょうひん は ねだん が かいていないので いくらか わかりません」
完全に私の指導不足でした。「100円ショップ」という言葉で完結していたと思っていたのですが…お互いに大爆笑で良い学習機会になったと思います。