【過保護に扱わない】

【過保護に扱わない】(技能実習制度)

「日本側のルールに従いなさい!!」

そう強く言えなくなっているのが某国の末期的な現状でしょうか。既に日本側からの募集期待に応えることができなくなり、技能実習生に対し、強気な態度に出られない、むしろ頭を下げているのではないかという現状です。

以前にも記載しましたが、既に末期的な人材の質の低下が見られていた中で、更にこの2年間は母国での厳しい集合講習も行われていない、自宅で過ごしていた期間が長い人材が、入国後に日本政府(検疫所)が用意した隔離施設(ホテル)に収容され、食事・Wi-Fiと何不自由の無い個室生活からスタートしました。

隔離期間終了後に集合講習施設に行けば、過去にないほどの入寮状況と、新型コロナウイルス対策の様々な規制により、技能実習生にとっては窮屈な環境が待っております。

そこで「わがままモンスター」達の不満が爆発、その怒り、ストレスは直接、入国後講習施設や監理団体ではなく、送り出し機関へと連絡が入ります。

以前であれば、この問い合わせに対し厳しい対応を見せ、必ず直接日本側関係者へ相談がありました。これを「日本語」で日本側へ訴え出ることも、配属後の教育の一環です。

しかし某国では以前のように、「日本側に聞きなさい、従いなさい」という一言が言えず、技能実習生の要求を聞き入れることがサービスと考えてか、その要求を監理団体に伝え、状況改善することで送り出し機関のイメージアップを図りたいのか分かりませんが、技能実習生→送り出し機関→監理団体の流れが助長しております。

・これで良いのか監理団体

新規の監理団体に多い傾向ですが、この技能実習生→送り出し機関の要望を真に受けて、入国後講習施設へと連絡・苦情を入れてくる方々がおります。本当にこの流れで良いのでしょうか?

状況確認する程度に連絡を入れることは良いのですが、真に受けすぎて、監理団体側が入国後講習施設への改善要求を迫った場合、入国後講習施設は監理団体がお客様ですので、ある程度、意見を尊重し、改善を図る対応をします。ここで送り出し機関同様、監理団体も、技能実習生の要望に応えたと、一時の満足感に浸っていると、配属後にしっぺ返しを食らいます。

入国後講習施設は監理団体が要求するのであれば、正直どうにでも対応は可能なのです。「わがままモンスター人材」との触れ合いも、我慢して1ヶ月、その後に触れ合う機会もありません。しかし監理団体は、この人材達への2年11ヶ月の監理が始まります。

・送り出し機関に不満を言えば、何でも解決する

そのように勘違いをした技能実習生は次々と、監理団体・受入企業に要求してくるでしょう。友達の会社は残業が多い、給料が高い、運転免許を取らせてくれる、一時帰国を取らせてくれる…挙句の果てには技能実習機構に相談する、●●オンに相談するなど、知識と情報網だけは素晴らしい人材が、正論で日本側関係者に次々と脅しをかけてきます。

なぜ?このような人材となったのか。思い起こせば入国後講習施設での出来事がきっかけだったと…後悔しても後の祭り。入り口の時点で、送り出し機関と足並み揃えて、ビシッと指導しなかったツケが、じわじわと効いてくるのです。

これも自業自得ですので身をもって覚えるしかありません。ただこの制度は転職もできませんが解雇もできませんので、背負ったモンスター人材の監理は3年間も続きます。

1度の失敗で3年間のストレスを抱えることが無いよう、何が正しく、どのように対応するのが正解か、しっかりと見極めていきましょう。

このような対応方法は、技能実習制度運用要領には記載も無く、実戦経験の無い技能実習機構に相談しても未然防止できません。名ばかりの有識者ではなく、実戦経験豊富なコンサルタント的な人材を抱えていないと事後処理型での後手対応が続きます。

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