
【集合講習の食事が難しくなった】
【集合講習の食事が難しくなった】(技能実習制度)
勉強嫌いな出稼ぎ労働感覚の技能実習生が楽しみとする時間。それが「食事」です。入国前には、初めて喫食する日本食に対し、期待をしていたはずなのですが、慣れ親しんだ母国食材のような甘からず辛からずの味付けに、すぐに拒否反応を示すことも少なくありません。
それでも「こんなものか…」と慣れる努力をしていく技能実習生は良いのですが、口にしない、すぐに母国から持参した即席麺に依存する、更には自身に提供された食材を、他の技能実習生に譲ることなく、ゴミ箱に捨てる方もいます。
国の経済状況なのか、両親・送り出し機関からの教育なのか、宗教観からなのか分かりませんが、某国以外の国の人材は、そういった失礼な行動を起こすことは多くありません。食事に対する「感謝」というものが身に付いているのでしょう。ここもまた某国送り出し機関に不足する教育の部分です。
現在の入国後講習施設での食材の提供は、以前と比較して本当に大変となりました。この2年間で食材費用が高騰。以前と同じ金額で提供できている施設は無いでしょう。
4月までの「指定国」対応時は、入国後3日間は検疫所が手配した待機施設で隔離され、その間、提供された食材は、1食あたり1,500円と聞いております。1日4,500円、30日換算で「13,5000円」入国後講習施設で、この食費を徴収する先はありません。よって、いざ集合研修に入ると、わがまま度を加速させております。
こういった現象は、集合研修中に修正することは不可能です。いざ配属され、初めて給与を受け取り、食べたい物を購入した際に、初めて気が付く日本の食材の高さ。ここでようやく、集合研修時代の対応に感謝する人もいます。
更に難しくなっているのがインドネシア人材の増加。2年前は、大多数向けに調理して、少数のインドネシア向けに豚肉・ラードを除いた食事を提供していたものが、現在ではインドネシア人材の人数はベトナムと互角に近い。その他の送り出し国もありますので、間を取って調理するのであれば、必然的に「鶏肉」使用の提供となり、また不満が起こる。しかし徴収している金額で、豪華に牛肉を振舞うほどの余裕もないのが実情です。
金銭的な問題、手間の問題、また感染拡大防止の観点から、2年前とは違い、個別に食事を提供しなければいけない。黙食と指導しても守り切れない人材達に会食の場を提供するわけにもいかない。これまで楽しかった食事の時間は、緊張感あふれる時間へと変わっています。