【少しできないぐらいが丁度いい】

【少しできないぐらいが丁度いい】(技能実習制度)

「日本語が上手」

この条件を全面的に採用した場合のリスクを紹介しておきます。

・現地企業からの引き抜きのリスク

N4程度であればまだしも、N3以上の人材を求めた際、0ベースで勉強を開始させた場合、約1年以上の月日がかかり、それに対する入国前講習費用の請求が届きます。

高校・大学などで日本語学習の経験がある方は、より短期間の入国を実現できるかもしれませんが、他の技能実習生よりも、要求する希望額が高く、日本側の要件とのミスマッチにより、出会う可能性も無いことがあります。

長期に渡る入国前講習期間にN3でも取得すると、母国で就職する可能性も高まります。来日しても手取り13万円~15万円、現地法人、特に日本企業が日本語の上手な人材を探し、手取りで10万円前後を提示してでも「引き抜き」を行おうとすれば、日本での収入は母国での2倍以下、一気に出国の魅力が無くなります。

特に家族や友人、恋人と会えない3年間を過ごすのであれば、多少収入が高い程度では母国に留まる。ある日突然、監理団体の事務所に連絡が入り、出国辞退ということもあります。

・正論での細かな要求

日本語が上手=「頭が賢い」人材が多いのも事実です。

こういった人材の場合、良い面もありますが、不条理なこと、非効率的なことなど、自身の環境や企業の欠点など、次々と要求を流暢な日本語でも行ってきます。

超一流企業ではなく、中小企業が主体となって利用する外国人技能実習制度。どの企業にも叩けば1つや2つの埃は出てきます。日本人従業員も、良し悪しは分かって「我慢」をする部分があって勤務しているにもかかわらず、賢い外国人材は、法的保護講習などで学んだ知識を実践すべく、技能実習機構に相談、写真や動画撮影を行い、SNSで情報拡散する可能性もあります。本来100%の期待に沿えるような企業でなければいけませんが、経営者にとって「面倒」「厄介」な人材を抱える状況となります。

教わって習う立場の技能実習制度ですので、日本語が上手ではない、指示待ちタイプの人材でも、欠勤することなく、健康的で、言われれば安定した生産性を発揮する程度で及第点としないと、高望みをした結果、しっぺ返しを食らう場合があることもお忘れなく。

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