【社長判断ではなく現場判断】（技能実習制度）

海外からの観光客の再開と共に、そろそろオンライン面接から海外送り出し機関における現地面接も再開するのではないかと思います。

さて皆様の関係先ではどなたが海外渡航をして技能実習生を採用するのでしょうか？

社長？

社長で良いのです。決済権限もあり、現場に入り技能実習生と一緒に汗を流すか、縁の下の力持ちとして、技能実習生の生活を直接サポートするような社長であれば。

問題なのは、日本人の採用面接にも参加しないような方、既に権限委譲して部長や人事担当に一任するスタイルで、技能実習生に関しても、現場のリーダー的存在の方を「技能実習指導員」に任命し、●●長や事務所職員を「生活指導員」に任命するようなスタンスの社長の場合。

なぜか日本人に関しては丸投げの採用を行っても、海外となると張り切ってお出掛けする社長様がいます。

このような受入企業の現場では、技能実習生の扱いが「無責任」となる傾向があります。

現場の管理者が技能実習生の生まれ育った環境、文化の違いなどを肌で感じることが無い。技能実習生がどれほどの苦労をして日本語学習しているのか理解できない。社長が採用してきたから、技能実習生を使えと言っているから、技能実習日誌を書く業務を増やされた…

時々現れる「クミアイ」とは何者？人材派遣では無いの？制度を理解することなく、便利な雑用係として技能実習生を使い、技能・技術などを指導することもない現場もあります。

失踪、途中帰国する可能性もこのような現場に多く見られます。

優良な実習実施者（受入企業）では、社長自身がこのことに気が付き、海外面接渡航費用は工面するも、実際に海外へ行かせて採用判断をするのは現場の人間、その代わり、全責任を負う覚悟で採用してこい！と喝を入れるのですが、会社の将来よりも、自身の欲望を満たすために面接に行かれる社長は、技能実習生が問題を起こしても、心当たりがある為、腹を括ってしまう場合もあります。

そうは言っても監理団体、送り出し機関は技能実習生問題で振り回されたくありません。監理団体は現実に即した従業員を面接に参加させることを推奨し、送り出し機関は、この社長は技能実習生に寄り添う立場ではないと感じたら、入り口の段階でお断りした方が良い企業の特徴となります。