【うちの子にかぎって】

【うちの子にかぎって】(技能実習制度)

そんな事件を起こすはずが無いと逆切れする監理団体。

多くの新規参入者の方が増加するのも歓迎する部分はありますが、優秀な日本人新入社員を扱うかのように、性善説に基づいた過保護な扱いを求める監理団体関係者の行く末を案じる場面も増加しております。

百戦錬磨の制度関係者は、新規入国の技能実習生に対して期待をする部分はあるものの、どこか冷静に見ている部分があると思います。

「厳しくお願いします」

実践経験が豊富な関係者であれば、必ず送り出し機関、入国後講習施設に依頼される時にお願いする言葉です。

「問題があれば即帰国させます」ここまで発言される方も少なくありません。これは決して帰国を望んでいるのではありません。多額な事前投資を行い、これから日本企業に就職していく技能実習生を心から大切にしているからこそ、入社前の時期に甘やかすわけにはいかないのです。

配属後、受入企業で美味しい食事や、観光地にご招待を受け、大切に扱われることに異論を唱える関係者はいません。受入企業に対しては、次回以降に入国する技能実習生にも、同じ扱いをしてくれるのであればと釘を刺すことも忘れませんが。

初めての出国、海外出稼ぎ労働、言葉の壁、文化・習慣の違い、家族との別れ、新しい職場環境。待ち受けている技能実習生の環境や心情は、厳しい場面の連続です。

監理団体や日本企業は打ち出の小槌のように、叩けば全てのサービスに対応する場所ではありません。適切な距離感の中で、安心安全な実習が継続できるよう監理・支援を行っているだけです。

「かわいそう」そのように技能実習生の立場に寄り添えば、国際貢献していると勘違いをしている方は、時に技能実習生を残酷な結末へ向かわせている場合があります。

泥水で育った魚は真水でも生活できますが、真水で育った魚は泥水では生きられないことがあります。「若い時の苦労は買ってでも…」何でも技能実習生の要望を聞き入れ、対応することが決して適切な監理・支援ではないと気が付くまでには、失敗に基づく経験が必要なのでしょうが、そのような日本側関係者の経験蓄積の時間の中で、犠牲となる技能実習生が一定数いることも気の毒に思います。

※添付画像「うちの子にかぎって・・・」(TBS系列ドラマ)より

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