あなたこそがブローカーかもしれない

【あなたこそがブローカーかもしれない】(技能実習制度)

「ブローカー」とは、商行為の媒介を業とする仲立人のことであるが,一般にはより広義に使われる。取引相手の探求・紹介だけでなく取引契約の円満な実現を誘導し,成功すれば手数料を得る。

なんだそうです。制度関係者は「ブローカー」という言葉を聞いただけで、添付画像のような「悪人」を想像してしまうのでしょうが、本当に技能実習生を目指す人達にとって悪い人達なのでしょうか?

プロスポーツの世界においても代理人交渉制度が認められております。また日本人の中でも、直接応募ではなく第三者の「縁故」で入社された方もいると思います。

その際に、成功報酬や「お礼」など金品の授受が発生するのかもしれませんが、利用者にとっては、それなりに信用のある方で、メリットがあるからこそ利用しているのだと思います。

技能実習生レベルの方達にとって、日本へ行きたいという気持ちを抱いても、数百もある送り出し機関のどこが良いのか?など知る由もありません。日本の監理団体でも、コンサルタントに費用を支払い、繋いでもらうこともあるはずです。

技能実習生が自分なりにホームページで調べても、どこも似たように、奇麗ごとを掲載しているだけで、決定的な判断材料にはなりません。直近で親しい友人が出国していれば、その送り出し機関が1つの目安となるのでしょうが、そのような友人もいなければ、友人のまた友人と、関係性が薄い方達への紹介となり、その方々が手間暇かけて紹介する部分が費用として要求される、友人からブローカーへ変わる瞬間です。

ブローカー?紹介者を利用するのも本人の意思一つ。誰にも強要されているわけではありません。見ず知らずの送り出し機関に飛び込むよりも、安心・安全が確保されているからこそ、日本側が排除を訴えても、送り出し国では無くなることはありません。

技能実習生は紹介者に対し、費用は支払っても、本人にとって有益な活動をしてくれた人ですから、「悪人」などと思うことも無く、良き3年間を過ごせれば「恩人」と感じるのかもしれません。

その反面、技能実習生が受け止めるブローカーとは「くみあい」と現地でも日本語で語られる監理団体の存在かもしれません。

SNSが発展しているこの時代、監理団体の悪事情報も当然伝わっています。「くみあい」のキックバック、高級接待…「くみあい」が無ければ自分達の費用負担はもっと少なくなるかもしれない。

来日後、空港の出迎えにも来ない、入国後講習中には1回程度の来校。中には講習手当の配布も講習施設任せ、配属も講習施設に丸投げという方もいます。

入国後講習施設の関係者は1ヶ月=約30日は同じ時間を過ごします。監理団体は配属後から2年11ヶ月=35回の出会い、それも1回、1時間前後の関係性かもしれません。

自分達の知らない場所で、在留資格や技能検定試験の手続きをしてくれているのかもしれない。しかし信頼・信用を持って、相談するほどの関係性は構築されてなく、悩みや相談事は自ずと送り出し機関の駐在員へ。技能実習生は本気で「くみあい」を「ブローカー」と考えてもおかしくない状況が発生します。

監理、支援、本気で技能実習生に対し向き合っている監理団体もあります。中には「人数×監理費」のビジネスライクな距離感を保つ監理団体もあります。

出稼ぎ労働者が日本を目指さない理由に、職種や待遇が取り沙汰されることが多いのですが、制度関係者の「くみあい」が面倒なブローカーとしてみなされ、選ばれなくなっている可能性も見直さなければいけません。

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