制度関係者の「残業」に対するそれぞれの見解

【制度関係者の「残業」に対するそれぞれの見解】(技能実習制度)

(技能実習生)

「残業」が発生すればラッキー、「残業」させろ!「残業」が無くては困る。送り出し機関に洗脳され、「技能・技術を習得するために…」「日本語の勉強、日本語の先生になる為に…」そのような模範解答を口にする技能実習生も本音は「出稼ぎ」

帰宅をすれば家族や趣味で過ごす時間が待っており、帰宅することが楽しみの日本人とは違い、技能実習生にとって宿舎へ帰宅するということは、一番の幸せではない場合もあります。

母国へ送金しなければいけない、借金の返済をしなければいけない、必要なのは「お金」、多くの方の場合、余暇の過ごし方が重要でわざわざ日本へ来たのではありません。

(実習実施者=受入企業)

とにかく「人手不足」それでも終わらせなければいけない日々の作業。もう1人、2人と採用する「お金」の問題ではなく、募集しても人が来ない問題。「残業」をさせることが良いとも思ってはいませんが、「売上」確保には仕方が無い方法。2023年4月以降は、中小企業の割増賃金率も、1ヶ月に60時間を超える時間外労働は「50%」となります。人手不足の状況が改善する見込みも無いのに、政府方針は「残業は悪」「休暇の取得こそ善」という風潮ですので、物価高・円安傾向が継続する状況では、出稼ぎ対象国に「日本」は入らなくなります。

(技能実習機構)

仕事量が多い、残業しなければ終わらない。技能実習機構の関係者も人の子。本音は十分理解しております。ただし技能実習制度は「「労働」とは認めない、本音と建前が混在した「研修」制度。労働時間に対しては「技能実習計画書」の建前を履行しなければいけない部分があります。

技能実習計画書に記載されている時間で技能・技術を習得。技能実習計画書に「残業時間」を加味していないのであれば、定時で実習を終了、退社させなければいけません。

仮に残業が発生した場合、技能実習機構側は、「技能実習指導員の能力不足?」と皮肉の1つも言わなければいけません。36協定の範囲内、わずかな残業時間であれば看過することもできますが、技能実習機構に優良と思われてはいない監理団体・実習実施者の場合、1時間でも残業が発生していれば、是正勧告を出すことも可能です。

自分達が良く思われていないことにも気が付かず、本音の部分で「残業」に対する言い訳をすれば墓穴を掘る一方。

技能実習機構、技能実習生とも穏便な関係を続けるには、残業時間「0」を実施すること。技能実習生には募集の段階から残業は発生しない企業であることを理解させ、それでも希望待遇に応えるような賃金設定、控除部分の見直しを行うこと。

ブラックリストの当落選上にいる関係者は、半永久退場になってから慌てても手遅れとなります。

技能実習