ファミリー化

【ファミリー化】(技能実習制度)

「教育」→「評価」→「定着」

このようなことが重要なくらい分かっている。

日本人に対して行っているように、外国人材に対しても行うべきだと唱えるご意見が、受入企業には響かない、響かないというよりは実践できない事実も知った上で一般論を語らなければならない場合もあります。

まずは「教育」

技能実習生受け入れに際し、「安全教育」と「作業教育」をしない受入企業な無いと思います。事故や怪我は絶対に困りますし、1日も早く戦力となり生産性を上げて欲しいので。

次に「評価」

中小企業・零細企業でも「頑張っている」という評価は下していると思います。毎日同じような作業でも、休まずに、一生懸命に、遠く離れた海外からきて作業をしてくれる。感謝の気持ちは常にあると思います。

では具体的に作業項目や生産性を可視化して評価をしているか?本格的な評価をする場合、評価に値した対価を求められる可能性が高まる。支払わなければ外国人材側も盛り上がらないどころか、「失踪」する場合もある。昇給・手当金額が少ない場合、逆に降りかかる「責任」を警戒し、評価を受けたがらない外国人材がいるかもしれません。

そもそも受入企業側が「教育」は行っても「人材育成」までは行わない理由。それは外国人材が、将来を担う「後継者」にはならない現実。いつか何処かで帰国する、経営者にはならない有期雇用の人材と割り切らないといけない存在であると、心のどこかで覚悟をしているからです。

中小企業であっても、数多くの職員が在籍し、売り上げも高い企業であれば、想像に描く「評価制度」に外国人材を参加させても良いと思います。

しかし経営者自らが現場に赴き作業に参加するような企業の場合、わざわざ可視化したデータ・書面上の評価を行わなくても、毎日作業を共にしている、評価も私生活も含めて何もかも理解できていると感じる関係者もいます。

実際に、外国人技能実習生を活用する企業の多くは日本人従業員が集まらない、このような中小企業・零細企業が多いですので、大企業に向けたような人事評価制度のような話は、心に響いても実践できない。

では、どのようにして「定着」を目指せば良いのか?

「お金」でも勝てない、「職種」でも勝てない、「地域」でも勝てない場合、徹底した「ファミリー化」目指すことです。我々は日本の「家族」であると。

辛い作業を外国人材に依存するのではなく、共に汗を流せばよい。食事の時間も共にして、時々はご馳走もして。特に素晴らしい評価制度は無くても、金銭面で上回る企業は数多くあっても、外国人材に対し、これ以上の「温かさ」がある企業は無いと思わせるぐらいの接し方をすれば良いのです。

それでも出ていく外国人材は出ていきます。しかし人の絆を大切にする外国人材もいますので、世間の理想論的な話に流されず、関係者の皆様が考える最大の「おもてなし」を前面に出して外国人材と向かい合えば、「定着」も実現していきます。

技能実習