2種類のブローカー

【2種類のブローカー】(技能実習制度)

「あなたは、来日するために母国の仲介者(送り出し機関以外の者)にお金を支払いましたか?

結果を見て「ホンマか⁉」と失笑した制度関係者も多いと思います。

この調査結果から、仲介者(ブローカー)に対して支払った人が多いか少ないかは別にして、ブローカーにも2種類のパターンがあることを制度関係者は知っておく必要があります。

1つ目が「送り出し機関以外」の関係者

日本(海外)へ出国(出稼ぎ労働)するために、より良い送り出し機関を紹介することで、仲介手数料を支払うパターンです。

日本でもその昔、「縁故入社」が横行していた時代があり「謝礼」を支払っていた頃、その行為が「悪質」と認識していた人は少なかったと思います。お時間を割いていただき、良縁に導いていただき、本人同士で合意した「謝礼」ですので、日本とは違い、送り出し国では未だに残る文化・風習なのです。

日本では昨今、「ブローカー」という言葉を聞いただけで「悪」と決めつける風潮がありますが、この仲介をする方々は、お顔立ちが「恐い」方々ではなく、親類、友人からの紹介者など、それなりに尽力している部分もあり、日本への入国後も、相談体制を構築していない監理団体・受入企業に代わり、日本滞在中の悩み相談、解決への導きなども行っておりますので、決して「悪い人」ではない方が多いのです。

2つ目が「送り出し機関内部に潜む仲介業者」

送り出し機関に求人募集能力が無く、仲介業者(ブローカー)に依頼をしているパターン。表面的には送り出し機関の職員を装っていますので、細かく調べなければ、正社員(常勤職員)であるのかなど分かりづらいと思います。

また成果報酬(歩合制)として支払われていたとしても、送り出し機関も頭を使いますので、あからさまに「紹介手数料」と明記することなどありえません。

いずれにせよ候補者(技能実習生)本人が親族から借金してまでも負担しますので、結果は変わらないのですが、数多くある送り出し機関の中から、情報弱者の候補者が、信頼できる人を頼りに入り口(送り出し機関探し)で誤らないよう、金銭を支払ってでも有利に事を運びたい気持ちがあり、無理矢理ではなく、本人合意のもと支払う金額ですので、日本側がどのような対策を取ろうと、内政干渉が難しく、これからも解決できない問題となります。

ここを議論するのであれば、日本語学校が1人の留学生を斡旋してもらうために、いくらの費用で仲介しているかも議論した方が良い問題です。

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