
アルバイトなら雇えるのに
【アルバイトなら雇えるのに】(技能実習・特定技能)
いよいよ満了帰国となる技能実習生、受入企業においては限られた人件費の中で、予定通り満了の技能実習生を帰国させ、新たな技能実習生の採用を行うか、特定技能へ移行していただき、新たな技能実習生の採用人数を抑えるかという問題を抱えることになります。
特定技能へ移行させる問題は、まず技能実習生本人が、将来的な「転職」の可能性も低く、「定着」を希望してくれているか。一時帰国で身も心もリフレッシュしていただき、家族も同意していただける状態がスタートとなります。
続いて「人件費」の問題。技能実習時代と違い、地域別最低賃金をベースに多少の上積みをした時給換算ではなく、入社年数・年齢等も加味した正社員同等の待遇。この両方の状況が叶えば、生産性も語学力の高い先輩が特定技能で残留してくれることが喜ばしい状況となります。
しかし残念ながら、技能実習期間を満了させるので精一杯であった「問題児」、仕事面・語学力の面で、再び同じ苦労はしても、新たな技能実習生を採用して育成した方がよいと思う場合、最後の1日まで頑張っていただき無事に帰国させることを願ってしまいます。
その中で性格、勤務態度に特に問題はなくても、仕事面は「まあまあ」、語学力は、コミュニケーションは何とかなるが決して上手ではない人材、いわゆるABCに区分した場合の「B評価」人材の処遇に頭を悩ませるでしょう。
新たな技能実習生は先輩人材よりも当初は語学力が劣る、しかし3年間の中で伸びしろを期待させるかもしれない。語学力があれば、更に生産性を向上させるかもしれないと考えます。
「アルバイト待遇で良いのであれば…」日本人同等と言われても、同等といえるほどの評価はできないため、正社員並みの待遇に踏み切る決断はできない、ただし「アルバイト」としてみることができるのであれば決して悪くはない。
円安、地域格差…益々日本を目指す外国人材が減少する不安を抱える中、能力は低くても自社愛で定着を希望してくれる技能実習生、能力が極端に高くもないため、引き抜かれる転職にさほどの心配がない人材。今後は外国人材の採用でさえ難しくなる時代を見据え、皆様はどのように対応されていきますでしょうか?