待遇と問題発生は比例する

【待遇と問題発生は比例する】(技能実習制度)

10月に入り技能実習生の賃金の変更はお済でしょうか?技能実習生への新たな雇用条件書の説明、署名、給与ソフト設定の変更…

この作業自体が「優良」ではないことを証明していると言っても過言ではありませんが(汗)

待遇が低ければ発生する問題も多い。

技能実習生に限らず日本人も同様だと思います。

「問題」とは賭博、違法薬物、窃盗、殺人などの社会的な問題ではありません。

途中帰国、失踪…制度関係者にとって誰も幸せではない結末。いわゆる「転職」ができない制度ですので職場を去っていく技能実習生なりの手段・方法です。しかし、一人の生産性に貢献する従業員が離職するという点では「転職」という形で去っていく日本人も同じです。

(最低賃金ギリギリに近い設定の場合)

送り出し機関における募集が集まらない状況が発生します。特に地方企業が最低賃金に合わせれば勝ち目は全くありません。待遇の良い企業、都市部の企業面接で、不採用が続く売れ残り人材の中から優劣を付けて、一喜一憂することになります。

待遇が良ければ、それなりに応募者数が集まり、その中には自社が求めるレベルの優良な人材と出会える「可能性」が高まります。そういった人材は、性格・作業能力・日本語能力において実力を発揮するのかもしれません。

待遇が良ければ、苦労、我慢に耐える可能性も高まります。他社条件に目移りすることもありません。

送り出し国において「●●職種は人が集まらない」という言葉を耳にしますが、それは日本の実態に対する労働対価が見合わないと見限られているだけ。月給100万円にでも設定すれば、収集がつかないほど優良人材が集まります。

(適切な設定金額)

これは受入企業で日本人「アルバイト・パートタイマー」募集を行う際の金額に合わせることです。受入企業からすれば、面接渡航費・受入準備金・監理費が発生するため、どこかで回収したい。そこで技能実習生の待遇を「ギリギリ」に設定する悪循環なのですが、SNSで情報収集が容易な時代、日本語能力が成長し、経営者の知らないところで、日本人従業員と技能実習生が待遇の話をする。

技能実習生が…2年目、3年目の技能実習生が、昨日今日、入社してきたアルバイト従業員よりも時給が低いと知った場合、「我々は安く使われている」「日本人は指示・命令だけして何もしない」「日本人は自分がやりたくない仕事を押し付ける」といった不平不満が爆発します。

技能実習生の待遇に関して、技能実習機構も最低賃金ギリギリも違反ではないから「合法」➝「許可」としていますが、せめて自社の日本人と待遇条件を揃えれば、問題発生は多少軽減します。

この問題は送出し機関、送出し国を替えても、いつかは限界が来ます。同じ月日(3年間)、同じような苦労をするのであれば、出稼ぎ要素が高い人材は、待遇の良い職場にしか集まりません。

技能実習