
宿泊vsビルメンテナンスクリーニング
【宿泊vsビルメンテナンスクリーニング】(技能実習・特定技能)
「円安」問題も悪いことばかりではない。水際対策も緩和され、海外からの個人旅行も解禁される。インバウンドビジネスは大盛況となり、観光業界は大盛況となるでしょう。
「宿泊業」は歓喜を通り超えて、十分なサビース提供ができる従業員が確保できないといった「悲鳴」を上げる関係者もいると思います。
そこで登場するのが、不足従業員を補うために外国人材の活用を提案してくる方々。外国人材の「笑顔」、「人材育成」「定着」を優先せず、「人数×お金」の人身売買に特化される関係者を業界用語で「魑魅魍魎」(ちみもうりょう)と呼ぶこともあります。
既に外国人材の誘致合戦が始まっているのですが、この業界は外国人材を招聘する方法が複数存在します。技能実習制度、特定技能に加え、留学生のアルバイト、高度人材での募集。
しかし実態としては一般的な方々が想像する「フロント業務」に従事することを期待される外国人材はごく僅か。多くの方々は「裏方作業」に従事することになります。中には海外からの旅行客が多い英語圏内に期待をしてフィリピン、ネパールが有利なのでは?と言われる方もいますが、四六時中、英語圏内の旅行客を相手するわけではありませんので実態は同じです。
「裏方作業」のメインと言えば、室内清掃、館内清掃、飲食会場の補助、搬入作業など。いわゆる我々が宿泊先で出会わない時間、場所での作業となります。
この業界、一見華やかで、綺麗なイメージもありますが、実態としては24時間365日営業ともなれば、拘束時間も長く、中には労働関係法令違反に抵触するような実態もあると聞きます。そこで多くの人材を安く確保するには?と外国人材を検討される方も少なくないのです。
しかし「宿泊職種」の技能実習生、特定技能が伸びるかとも思われていましたが、両制度が開始される前、限定的な作業となりますが、「ベッドメイク作業」が許可された「ビルクリーニング職種」の勢いも衰えてはいません。これは何故か?
技能実習制度の場合、「建前」の技能実習計画に縛られ、1つの実習場所での実習(労働)が求められます。この場合、宿泊業は繁忙時間と閑散時間の差が激しく、閑散時間も拘束してしまうと長時間労働の危険性があり、シフト制にすれば多くの従業員を抱える必要が発生します。
そこで都合が良い職種選択として「ビルクリーニング職種」が衰退しないのです。
館内全ての業務に従事できなくても、「ベッドメイク作業」の部分だけは委託ができる。宿泊業関係者からすれば、大きな責任を負うこともなく便利使いできる部分があるのです。
「宿泊業」は2020年2月25日に技能実習2号移行対象職種に認定されました。その後、すぐに新型コロナウイルス問題に見舞われ実績がまだ十分ではありません。
今後益々増加すると思われる「宿泊職種」の外国人材。入国者数の増加に比例して、問題も発生しますので、今後の宿泊業関係者の対応が注目されます。