中国系送り出し機関

【中国系送り出し機関】(技能実習制度)

中国の送り出し機関の話?ではありません。本日は中国「系」の送り出し機関の話をします。新規参入の方には、まだまだ分からない世界の話だと思います。

技能実習制度の大きな問題点の1つに、技能実習生の「借金問題」が取り上げられることがあります。「借金」という言葉の中にも、様々な事情があるのですが、その1つに母国の送り出し機関に支払う「出国手数料」「教育費用」などがあります。

国によっては上限が設けられているのですが、あの手この手の理由を使って本人に支払わせる。特に「日本行き」の人気が高い国では、その気持ちを逆手に取り、高額化していきます。

逆に「日本行き」が下火になっていくと費用も下がっていく。日本の監理団体から見捨てられないよう「建設」「とび」「縫製」などは、採算度外視の金額でも構わないので出国を後押しされる場合もあります。

高額な送り出し機関、実は裏に「中国」が資本提携している場合があります。

「中国」と言えば、ベトナムが技能実習生の最多送り出し国となる前の「前王者」。2010年頃までは、技能実習生と言えば「中国」一択という時代がありました。

当時は何社ぐらい中国送り出し機関があったのでしょう。契約数に上限は無く、人口十数億人の国ですので、全てを把握するなど無理な話でした。

全盛期はブローカーも含め、日本各地に「送り出し機関駐在員」が点在しておりました。

日本語の留学生も最も多かった中国では、元技能実習生を含め、日本語教師として母国送り出し機関で勤務されている方も多数在籍しておりました。

「夜の面接」とも言われた海外面接終了後の「接待漬け」。「日本人を簡単に落とす方法」としてマニュアル化されたような接待手順とキックバックは、ベトナムもそっくり真似をしました。

あの頃の日本語が流暢な関係者はどこへ行ったのか?

多くの方は技能実習制度業界から足を洗ったのでしょうが、一部、僅かな日本向け派遣で、活動されている方々もいます。

現在の中国人技能実習生の希望相場は、円安問題で更に加速して、手取り総額「17万円~18万円」既に10万円前後であれば、母国で稼ぐことが可能。この手取り総額が支払える日本企業は、都市部かつ一部の企業。中国人技能実習生は選択肢に入りません。

ただ中国送り出し機関の関係者も、今は昔のように「中国人」を派遣しようとなど考えていません。

現在も日本向けの技能実習生を送り出す中国送り出し機関は、ミャンマー、カンボジアと進出しております。中国資本で送り出し機関を作り、現地人に表面的な経営をさせ実態を隠す。日本向けの技能実習生派遣のマニュアルは完備されていますので、中国側主導で、技能実習生を募集、教育し日本へと出国させます。

その際、現地送り出し機関の利益だけでなく、親会社の中国送り出し機関にも利益が必要ですので、必然と技能実習生からの徴収金額は増加します。その金額は問題視されるベトナムを超える場合もあります。

現在は入国者数の多いベトナム人技能実習生の問題ばかりがクローズアップされますが、中国資本が入る送り出し国で似たような問題が起こるのも時間の問題です。

知らず知らずの内に、日本側関係者が中国系の送り出し機関を使用している。そこは技能実習生が、多額な「借金」を背負った状態で来日する。

ここは現地送り出し機関なのか?中国系なのか?の見極めは、相当な経験者ではないと事実を知ることが難しいと思います。中国系はノウハウも掴んでおりますので、素晴らしい教育施設、行き届いたサービスだけでなく、優秀な人材も送り込んでくることもありますので、決してダメなのでは無いですが、最後は中国、ベトナムが辿った終焉を迎えますので、不安がある方は優秀なコンサルタントにでもご相談して下さい。

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