
戦力外通告
【戦力外通告】(技能実習・特定技能)
間もなく技能実習期間終了。
以前は3年間の労をねぎらい、家に帰るまでが遠足(技能実習)と、最後の1日まで実習に励むことや、帰国までの段取りを行い、入れ替わりで新規入国する技能実習生の対応へと気持ちを切り替えれば良かったのですが、特定技能施行後は選択肢が多く、時にハッピーエンドにはならない場合もあります。
手続き上、帰国日2カ月前までには決着させなければいけない去就問題。
・帰国
・残留
・転職
大きな枠組みとしては、3つの中から、更に細分化された対応が待ち受けます。
「帰国」であれば、これまでの知識・経験の対応で問題は無く、「転職」であれば、帰国しない場合は、新たな受入企業の動きに合わせるだけ、一度帰国するのであれば縁が切れます。
問題は「残留」(特定技能移行)における当落線上人材の問題
優良かつ相思相愛の人材は全く問題なし。仕事・語学力・性格・生活面のいずれかに問題がある人材は、それを理由に契約延長が無いことを通知。
一番辛い場面が、残留を希望しても、人件費の兼ね合いで全ての人材を残留させるには至らない場合の「戦力外通告」。勿論、技能実習期間中において決め手のある成果を発揮すれば良かったのですが、可もなく不可もない人材に対し、ある日この通告を行わなければいけない場面が訪れます。
待ち受ける母国での生活。思い出される貧困生活。途絶える日本からの送金に、今後の生活不安が襲い掛かる。想像しただけでも、残りの技能実習期間の集中力が欠如する可能性があります。
こういった問題をスマートに解決するには視覚的に数字で分かるような「評価制度」しかありません。通訳を通じて、他人との比較を引き合いに出す評価は良くありませんし、抽象的な表現で「なんとなく」と思わせれば、一波乱起きる可能性もあります。
数字に置き換えて、及第点には至らなかったと提示すれば、仕方が無いと諦めるか、今後の新規入国者は良い評価を得るために、良いパフォーマンスを発揮するよう努めるかもしれません。
海外面接の基本も、特定技能延長採用の通知も同じですが、合格者ではなく、不合格者に対し誠意ある応対が重要であり、対応経緯は外国人材側も見聞きする中で、今後の募集活動、滞在者のモチベーションにも関わりますので、紳士的な応対がいつも必要なのです。