
【強制ではなくメリハリ】
【強制ではなくメリハリ】(技能実習制度)
技能実習制度は「転職」できない、しかし「解雇」もされない生活保障がされている制度。これを完全に日本人同等の「労働」と認め、途上国の人材を日本の競争社会に放り込んでしまった時、「移民」議論を含め、どのように対応するべきなのか?30年近い前の先人の方々が、行く末を危惧して着地したのが、日本独自の技能実習制度です。制度の問題ではなく、法令遵守できない方々が参入することが問題。外国人労働者を受け入れることに対し、如何なる外国人材も日本人同等以上に「人権」が守られることは一義に及びません。
しかし中には悪質な「外国人材」が一定数存在することも事実で、選抜時に見抜けなかった日本側の責任と一言で片付けてしまえばそれまでですが、中には入国後に、様々な情報を収集し、ぬるま湯体質な制度を悪用し、悪行三昧な人材もいます。
その際、優良ではない監理団体では、冷静な判断力・対応が欠如し、感情的な部分で行動をしてしまう方々もいます。気持ちは十分理解できます。しかし外国人材を前に、大声で罵声を上げても、「やさしいにほんご」も理解できない悪質人材が、「罵声」の日本語を理解するはずも無く、ただ叱られているという意図だけは理解しても、反省・再発防止の方向に傾くどころか、火に油を注ぐだけの結果になる場合もあります。
優良な監理団体では、すぐに技能実習法での対応方法と、受入企業の就業規則など、「法的」根拠を想像した対応を淡々と行っていきます。「帰れ!」「首だ!」相手が理解できなくても、そのような言葉は発しません。犯した具体的な事実のみを認めさせ、署名・反省・再発防止の誓約などを書面で残す。今後の再発時には、累積された証拠として、本人が自主的に技能実習の中止、母国への帰国を決意するよう展開させます。
その過程において、「強制帰国」となるような発言・行動は慎み、外国人材にそう思わせるようなこともなく、正しい手順であった時系列も残します。
加えて重要な方法は「メリハリ」を付けた対応を意識すること。「雨とムチ」を使い分けることです。優良な技能実習を行う人材に対し、くすぐったいぐらいの賞賛を行うと、その光景を目にする崖っぷち人材を、ギリギリ救済できる場合もあります。
何も問題ない人材に対しても、何もしなくても良いから「楽」と片付けることなく、何も起こらない人材こそが制度趣旨を理解している優秀な人材として表彰していけると、監理体制が変わることもあります。このあたりの投資も惜しんではいけません。隙が無い優良監理団体の手法です。