逆・送り出し機関化

【逆・送り出し機関化】(技能実習・特定技能)

突然、深刻化してきた「円安」問題の影響。

在籍の技能実習生・特定技能人材が海外送金時に不平・不満を漏らし「帰りたい」と口にするようになる。慌てて「いつ?」という質問と、せめて最後まで(期間満了)までは契約を履行するよう指導。外国人材側も決して日本側が悪いのでは無いことを理解しており、とにかく不平・不満を言うことでストレスを発散している人もいます。

とは言え、冷や冷やな毎日を過ごす日本側関係者。もし今後の面接への集まりが悪くなったら…特定技能移行と同時に都会へと転職流出…不安は尽きません。

現在、技能実習制度の見直しも、技能実習制度<特定技能となるような方向で議論が進みそうな様子ですが、「特定技能」、いわゆる建前の「研修」が外れ、完全な「労働」のみの制度となれば、新たな「日本人ブローカー」出現の問題は避けられません。

外国人材に対し、仕事を紹介しても、心の底から「定着」などを願ってはいない方々。外国人材が「お金」にしか見えなくなります。

容易にコンタクトできる外国人材を10人前後抱えていれば、ブローカー商売が成立してしまうかもしれません。

現状に不満のある人材、地方在住の人材に声を掛け、新たな企業へとマッチングを行う。まずは紹介料として1ヶ月分の報酬を頂き、×10人分…ソコソコのお金を手にすることができます。

登録支援機関にもなり、月額固定費用も徴収するかもしれません。数カ月して、外国人材に声を掛け、現状に満足をしているか?それとも少しでも不満があるか?と聞けば、誰しもが少々の愚痴を言う。その言葉を利用して、また別の企業を紹介する転職活動を行う。

そこでマッチングをすれば、再び紹介料を手にして、またそこで同じことを繰り返す。「善意」の監理団体と違い、完全な「労働」を認めた世界では、これまで経験して来なかった、新しい「奴隷制度」が完成してしまいます。

「円安」問題は「ブローカー」稼業にとっては追い風です。外国人材も動かしやすくなりますし(転職)、日本人の若者を海外労働への道へと誘うことも容易となります。

日本よりも給与が2倍以上も良い国。日本で40年、50年と働くよりは、半分の年数で、日本で稼ぐお金を手にすることができ、語学習得も可能となる。まさに「逆・送り出し機関」現象が発生します。

日本国内では人手不足の現状を見て、外国人材を紹介し、大切な日本人の若い世代を海外労働へと向かわせる。長期化する「円安」問題は、外国人材の日本での就労意欲も減退させ、他国へと目移りさせます。

日本人の若い世代を流出させず、外国人材も含め地方でも定着するような仕組み作り。現状の技能実習制度と特定技能の良し悪し程度を議論している場合ではないのかもしれません。

技能実習特定技能